移植毛の選定について

 

自毛植毛手術において、移植毛の選定は重要な作業になります。後頭部や側頭部の毛髪を利用しますが、これは生理学的にAGA(男性型脱毛症)が起こりづらいからです。採取する際は、元気な移植毛を選んで、傷つけないように注意します。傷ついた移植毛は、分単位で徐々に弱ってしまい、移植した際に生着しない原因になってしまいます。逆に傷ついていない元気な移植毛は、保存液に入れておけば簡単には弱りません。

手術時間が、短いほど移植毛が弱らないという考え方もありますが、移植毛が傷ついていなければ、大きく弱るということはありません。つまり、元気な移植毛を傷つけないよう丁寧に採取することが最も重要になるのです。

 

また、移植毛の選定については、元気なものであることは大きな条件ですが、移植する場所によって採取する移植毛は変わります。

 

例えば、ボリュームが必要な大きなスペースでは、大きな移植毛を使います。大きな移植毛は、毛髪が太かったり、数が多かったりするため、ボリュームが出やすい特徴があります。ただ、小さい移植毛に比べ、移植した際に周囲へのストレスを与えてしまうというデメリットもあります。しかし、大きなスペースでの移植では、適切な間隔をとることで、そういったマイナスの影響を抑えることができます。

反対にボリュームより、密度を優先させたい場合もあります。つむじは、まさにそんなケースに当てはまります。そういった場合に大きな移植毛を使うとデメリットが強調されてしまい、せっかく移植手術をしても本数のわりに地肌が見えてしまいます。

このような場合は、大きな移植毛でなく、あえて1本毛で太い移植毛を使います。こうすると周囲への影響を抑えながら、密度を増すことが可能で、地肌が見えづらく、患者の満足度も高くなります。

 

ボリュームと密度以外の条件としては、移植手術をした後で、いかに自然に見えるかというものもあります。自毛植毛手術を行い薄毛の問題を解消したつもりでも、「いかにも何か特殊なことをやった」というような違和感を与えてしまっては、手術をした意味が半減してしまいます。

このような印象を与える原因は、不自然な生え際のラインなど、移植のデザインが影響することが多いのですが、移植毛の選び方も影響します。

例えば、女性の生え際の最前列などは、どんな移植毛を使用するか特に注意が必要な場所になります。女性の生え際を注意深く観察すると非常に細い産毛が生えていることがわかります。そのような場所には、ただ、1本毛を移植しても不自然です。専門クリニックよって対処は違うかと思いますが、アスク井上クリニックでは、襟足近くの軟毛を採取し、出来るだけ自然な印象になるよう移植しています。

 

このように移植毛の選定は、様々な条件が考慮されます。適材適所の言葉通り、限られた資源を有効に活用することが大切なのです。

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