ロボット植毛における自毛植毛の未来

ここ数年、医療界で広がりつつある手術支援ロボット(ダヴィンチ)を使った手術。この手術支援ロボットを使った前立腺癌や肺がん、膀胱癌、胃がんなどの手術は、皮膚切開が小さいため患者の体への負担が軽減され手術後の痛みも少なく、術後の回復が早いというのが大きな特徴で2018年には保険適応にもなり、今後更に増えることが予想されます。そうしたテクノロジーを導入したAiを搭載したロボットによる自毛植毛の手術が登場してきました。

これまでの自毛植毛手術は医師と看護師の熟練された技術で行われるチーム体制の手術方法で、後頭部の毛髪を皮膚ごと切り取り株分けし移植していく《FUT》と後頭部の皮膚を切らずに移植毛(グラフト)を1本ずつ吸引採取する《FUE》という2種類がありました。

このアメリカで誕生したAiを搭載したロボットを使用した自毛植毛手術は、コンピューターが採取する後頭部の画像をモニタリングチェック、コンピューターが髪の角度や密度、本数などを算出し毛根が切断されないようにグラフトを採取、医師が移植ホールを作り移植していくという方法です。簡単にいうと高い技術を必要とした後頭部からの移植毛の採取を、コンピューター制御によってより正確に短時間で多くの本数を採取し移植するというわけです。

 

しかし、このロボット植毛は本当に万能なのかという疑問があります。実際にこのロボット植毛と同じ方法に近いFUEという方法に比べると、後頭部から移植するためのグラフトを吸引採取する際に使用される筒状のパンチは、通常口径が0.85mm〜1,0mmに対しロボット植毛の場合口径1.2mmと大きなサイズのパンチを使用しています。つまり、後頭部のグラフトをくり抜いて採取した部分に丸い疵痕が残るということです。通常のFUEによる採取方法でも丸い点のような疵痕は残るのですが、口径が0.8mmですので小さな丸い点状の傷なのですが、ロボット植毛の方が口径1.2mmと大きい為、大きな丸い疵痕が残ってしまいます。それと、手術後の仕上がりの満足度が低いということです。他の植毛クリニックへ“ロボット植毛を受けて満足できない方の相談が多い”ということです。

話を聞くと生え際のラインが不自然、植毛した部分の密度がスカスカで、植毛したとは思えないなど。他の方法に比べ人件費が少なく済むため費用はかなり安い設定になっているクリニックが多いようで、費用の安さとコンピューターで植毛ができるという理由で選ばれる方が多いそうです。

生え際や密度、仕上がりの自然さについては、美的センス、高い移植技術を持ち合わせた熟練の医師による手術に比べ、まだまだロボットの性能面では自然さ、美しさを実現できるまでには至っていないように思えます。手術支援ロボットによる手術は、患者の体への負担が少ない正確な治療ができるということが最大のメリットです。

将来更に改良されAiで様々な情報を学習、アップデートされた植毛ロボットが登場し、人の手による自毛植毛手術と比べても遜色ない仕上がりが実現すれば、自分の希望通りの仕上がりが、今よりももっと安い費用で受けられるかもしれません。ですが、今のところ豊富な経験と熟練された技術・美的センスを持つ医師には敵わないのではないでしょうか?

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